傷は、 いつから隠すものになったのだろう

 

痛々しく目を背けたくなるもの
誰かの視線に気づくと恥ずかしく感じるもの

誰の目にも触れぬよう、
自然と隠してしまっていた気がする


大切なものが傷ついたとき、漆で継ぎ、金を蒔いた姿を想像する

どんな仕上がりにしようか

少しずつ時間をかけて漆の層を重ねていく

傷が埋まり、金を蒔いた後も、しばらくの間温度と湿度が一定に管理された室(むろ)の中へ

そうするとどんな傷も美しいものへと昇華されてゆく

同時に、より逞しくも


金継ぎを通して "不完全の美" という考えに出会った

傷それ自体は、押し並べて痛々しく、恥ずべきものだろうか

傷を、傷跡を、ありのままを美しいと思えたなら、
傷ついた出来事すら大切な記憶となる


傷ついたとき、その傷とどう対峙するか

美しさへと変えられると気づいた時、もう隠すことはないでしょう


私の傷はもう少し室の中で