手間をかけるということは、非効率なのか

 

テクノロジーの発展が目覚ましい近年、

手作業でなされていたものが

機械に置き換わっていく様子を至る所で目にする

 

機械化のみならず、金継ぎも合成樹脂を使った

簡易金継ぎと呼ばれる手法が生み出された

 

簡易金継ぎは短期間で完成し、

漆で気触れる心配もない

 

それでも伝統技法にこだわるのは、

漆の美しさ

紡がれてきた歴史への敬意

そして、

日本の伝統文化を未来へと繋いでいきたいという想いから

 

漆が固まるのは乾燥ではなく化学反応による硬化

温度と湿度が適切に管理された室(むろ)の中で、

静かに空気中の水分と酸素を取り込んでいく

 

気温が低く乾いた冬の時期は室の管理に骨が折れるが、

定期的に湿度を上げ、暖房にあたるジュエリー達を眺める時間は

えも言われぬ愛おしさがある

 

そういった所謂"手間"とも言える時間こそが

お届けする相手への想いを巡らせ、

伝統と向き合うための余白