壊れたものを「繕う」という美意識

 

「もったいない」


モノを大切にする精神

日本に根付く、独自の美意識


環境保護活動家のワンガリ・マータイ氏が

Reduce、Reuse、RecycleにRespectを加えた「4R」を

「MOTTAINAI」という言葉と共に提唱したことで

世界的に知られることとなった


壊れた物を繕うという行為の奥には、

この精神が息づいている


金継ぎの起源は「もったいない」ではないが、

モノを大切にするという観点で見ると

「もったいない」精神から金継ぎが活用されることも

多々あったのではないだろうか


しかし、壊れた物の穴を埋める代替品が簡単に手に入る現代では

この美しい文化が少しずつ薄れていくように感じる



思えば、自分自身も


一番に思い浮かぶのは、母が繕ってくれた靴下


学生の頃、制服の靴下に小さな穴が開くと

さっと繕ってくれた

自分も真似てみたりした


繕うという文脈を少し離れてみると、

古くなったタオルを小さく切り分けて掃除道具として最後まで使い切ることや

お菓子のパッケージをちょっとした小物を収納するために再利用することなど


日常の風景だったものが、

今では過去の記憶として思い出される


靴下を繕うことは

母にとってはなんてことのない行為だったはず



それこそが、

日本の美意識が日常に息づく

ということ



こうした、人の中で静かに宿る文化が

絶えず受け継がれていくことを願って